外国人がブラジルで会社を設立する:CPF・CNPJ と国内居住の代理人
ブラジル法人の出資者になるのに査証も在留資格も不要です。必要なのは CPF、送達を受ける国内居住の代理人、そして中央銀行への外資登録です。
外国籍の方がブラジル法人の出資者になるのに、ブラジルに居住する必要も、査証も、在留資格もありません。外国資本は歓迎されており、設立手続自体もブラジル人の場合と変わりません。
異なるのは、意外に思われがちな三つの要件と、よくある一つの誤解です。要件は、外国出資者のCPF、送達を受ける権限を持つブラジル国内居住の代理人、そして中央銀行への外国資本の登録です。誤解のほうは、ブラジル法人の出資者であること自体は、ブラジルに居住する権利を与えないという点です。
誰が出資者になれ、どのような条件が付きますか。
外国籍の個人も外国法人も、国内に居住することなく、ブラジル法人の持分または株式を保有できます。
付される条件は手続的ですが厳格です。非居住の出資者は、自己のために送達を受ける明示的な権限を有するブラジル国内居住の代理人を選任しなければなりません。理由は単純で、ブラジルの裁判所が呼出しを届けられる相手を国内に必要とするためです。この委任状は設立書類とあわせて提出され、これなくして会社は登記されません。
代理人はブラジル人でも、ブラジルに居住する外国籍の方でも構いません。会社の会計士や弁護士である必要はありませんが、実務上はそうなることが多いです。
非居住者が会社を経営できますか。
ここには近時の改正が関わり、会社の種類によって答えが異なります。
**株式会社(S.A.)**については、2021年法律第14.195号が株式会社法第146条を改正し、非居住者である取締役の選任を明示的に認めました。条件は、任期終了後少なくとも3年間、送達を受ける権限を有するブラジル国内居住の代表者を置くことです。
有限会社(Ltda.)——実際には圧倒的に多い形態です——については、立法が明示していません。有力な見解は、定款に定めがあれば有限会社に株式会社法の規定が補充的に適用されるため、同様の可能性が認められるというものです。しかし州の商業登記所によって取扱いがなお分かれており、より厳格な州もあります。
実務上の帰結は明らかです。非居住者が経営する計画であれば、定款を起草する前に当該州の商業登記所に確認し、株式会社法の補充的適用を定款に書き込んでおく必要があります。窓口で制限が判明すれば、起草と提出をやり直すことになります。
どの会社形態が適していますか。
| 有限会社(Ltda.) | 一人有限会社(SLU) | 株式会社(S.A.) | |
|---|---|---|---|
| 出資者 | 2名以上 | 1名 | 株主2名以上 |
| 最低資本金 | 一般的な定めなし | 一般的な定めなし | 払込みに関する規律あり |
| 主な用途 | 外国投資の大半 | 単独の外国投資家 | 規模の大きい構造、外部投資家 |
| 公告等の負担 | 軽い | 軽い | 重い |
| 非居住の業務執行者 | 州の登記所に要確認 | 州の登記所に要確認 | 明示的に可(国内居住の代表者が条件) |
多くの場合、有限会社または一人有限会社が妥当な出発点です。株式会社の追加的な形式性が見合うのは、外部投資家が入る場合や、より複雑なガバナンスを要する場合です。
手続はどのような順序で進みますか。
各段階が前の段階に依存するため、順序が重要です。
- 外国籍の個人出資者ごとの CPF——国外のブラジル領事館で取得します。出資者が外国法人であれば、非居住投資家としての CNPJ が必要です。
- 国内居住の代理人を選任する委任状。送達を受ける明示的な権限を含めます。領事館で作成するか、現地の公証人の面前で署名のうえアポスティーユを取得し、ブラジル国内で公認翻訳を付します。国外から委任状を作成する方法をご参照ください。
- 目的、資本金、持分の配分、業務執行体制を定める定款。
- 州の商業登記所(Junta Comercial)への登記。これにより会社が成立します。
- 連邦国税庁における新会社の CNPJ 取得。
- 事業内容に応じた市・州の登録と営業許可。
- 中央銀行の対内直接投資システムにおける外国投資の登録。
なぜ中央銀行への登録がこれほど重要なのですか。
資金が戻るための「門」だからです。
対内直接投資はブラジル中央銀行に申告し、以後も定期的な申告が必要です。この記録が、後日の利益・配当の国外送金と資本そのものの回収を支えます。
非公式に入った資本——個人的な送金、知人が持ち込んだ資金、書面のない貸付——は、数年後に初めて表面化する問題を生みます。事業が軌道に乗り、出資者が資金を引き出そうとする時点です。そのとき資金はブラジルにあり、外へ出す正規の経路がありません。当初に正しく登録する費用は、後から是正する費用のごく一部です。
具体例
日本の投資家が、サンパウロにサービス業の会社を設立しようとしています。ブラジルへの転居はせず、日常の運営はブラジル人のパートナーが担います。
機能する道筋はこうです。在東京ブラジル総領事館で CPF を取得する。同所で、送達を受ける権限を含む委任状により国内居住の代理人を選任する。二人の出資者が有限会社の定款を作成し、ブラジル人のパートナーを業務執行者とする。定款を商業登記所に登記する。CNPJ を取得する。そして送金する資本を、対内直接投資として中央銀行に登録する。
もし日本に居住したまま自ら業務執行者になりたいのであれば、先に一段階が加わります。サンパウロ州の商業登記所が有限会社の非居住業務執行者を認めるかを確認し、それに沿って定款を起草することです。
どのような書類が必要になりますか。
| 書類 | 注記 |
|---|---|
| 各外国出資者の旅券 | 有効なもの |
| 各外国籍個人出資者の CPF | 領事館で取得 |
| 外国投資法人の CNPJ | 出資者が法人の場合 |
| 外国法人の会社関係書類 | アポスティーユとブラジル国内で作成した公認翻訳を付す |
| 国内居住代表者への委任状 | 送達を受ける明示的な権限を含む |
| 国外の住所を証する書面 | 出資者ごとに |
| ブラジル国内の住所を証する書面 | 会社の所在地として |
よくある問題は何ですか。
- 中央銀行に資本が登録されていないこと。最も高くつく誤りであり、最後に判明します。
- 会社設立で在留資格が得られると考えること。得られません。投資による居住許可は独自の最低額を持つ別個の手続です。
- 送達を受ける権限を欠く委任状。登記所が受理せず、国外から書面を作り直すことになります。
- 氏名の表記の相違。旅券とブラジルの記録で異なる場合、両方の表記を書面に記載すべきです。
- 州の登記所に確認せずに非居住の業務執行者を選ぶこと。定款の作り直しになります。
次に何をすればよいですか。
起草に入る前に、二つの問いが構造を決めます。誰が会社を経営するか、そして誰を国内居住の代表者とするか。前者は商業登記所への事前確認が必要かどうかを決め、後者は国外で署名すべき委任状の文言を決めます。委任状は最も時間のかかる項目ですので、通常はここから着手します。
出典: ブラジル民法第1.052条以下 / 1976年法律第6.404号第146条(2021年法律第14.195号による改正後) / ブラジル中央銀行(外国資本) / 全国企業登記統合局(DREI)の各規範
よくあるご質問
ブラジル法人の出資者になるには、ブラジルに居住したり査証を取得したりする必要がありますか。
ありません。外国籍の個人も外国法人も、ブラジルに居住せず、在留資格も持たないまま、ブラジル法人の持分または株式を保有できます。法が求めるのは、外国出資者の CPF と、その出資者のために送達を受ける権限を有するブラジル国内居住の代理人です。
ブラジル法人の出資者になれば、ブラジルに居住する権利が得られますか。
得られません。持分の保有と在留資格は別の事柄です。投資による居住許可は独自の最低金額と独自の審査を伴う別個の手続であり、会社を設立したことによって自動的に付与されるものではありません。先に設立してから、この点に気づく方が少なくありません。
非居住者が会社の業務執行者になれますか。
株式会社(S.A.)であれば可能です。2021年法律第14.195号が株式会社法を改正し、非居住者である取締役の選任を認めました。ただし、任期終了後少なくとも3年間、送達を受ける権限を有するブラジル国内居住の代表者を置くことが条件です。有限会社(Ltda.)については立法が明示しておらず、州の商業登記所によって取扱いがなお分かれています。定款を起草する前に、当該州の商業登記所に確認すべき点です。
外国投資をなぜ中央銀行に登録しなければならないのですか。
その登録が、後日、利益を国外へ送金し、資本を回収するための根拠となるためです。対内直接投資は中央銀行の電子システムで申告し、その後も定期的な申告が必要です。適切に登録されないまま入った資本は、行き場を失いがちです。資金はブラジルにあるのに、外へ出す正規の経路がないという状態になります。
CPF と会社設立は、どちらが先ですか。
CPF が先です。外国出資者の CPF——出資者が外国法人であれば CNPJ——は、商業登記所に設立書類を提出する前に存在していなければなりません。国内居住の代理人に対する委任状も同様で、定款とあわせて提出します。
ブラジルで会社を設立する最低資本金はいくらですか。
有限会社について一般的な法定の最低額はありません。資本金は事業の内容に応じて出資者が定めます。最低額が問題になるのは別の二つの場面であり、しばしば混同されます。独自の基準額を持つ投資による居住許可と、一部の規制業種です。
本記事は一般的な情報提供を目的とし、ブラジル法の概要を説明するものです。個別の事案に関する法的助言に代わるものではありません。