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ブラジルでの治療が失敗したら?外国人患者の権利

ブラジルで受けた手術・インプラント・医療処置に問題が生じたときの外国人患者の権利、5年の時効、診療記録の入手方法、海外からの対応方法を解説します。

Bruno Machado

Bruno Machado

弁護士 · OAB/SP nº 360.883

更新日

ブラジルで医療または歯科治療を受けた人は、他国に住んでいても、ブラジル人患者とまったく同じ消費者としての権利を持ちます。クリニックや病院は過失の有無にかかわらず損害について責任を負い、医師・歯科医師個人は過失がある場合に責任を負います。さらに美容目的の形成外科手術や審美歯科治療では、ブラジルの裁判所はその過失を推定します。権利を行使できる期間は5年です。ブラジルに戻らなくても、苦情申立て、交渉、さらには提訴まで可能です。

ブラジルの法律が定めること

ブラジルの消費者保護法(法律第8.078/1990号、通称CDC)は、国籍や居住地を問わず、ブラジル国内で提供されるすべてのサービスと、すべての人に適用されます。患者にとっては、次の3つのルールを意味します。

  • クリニック・病院・検査機関は、過失の証明なしに責任を負います(第14条)。損害と、それがサービスに起因することを示せば足ります。
  • 医師・歯科医師個人は、過失がある場合に責任を負います。 技術不足、軽率、または注意義務違反です(第14条第4項)。
  • 美容目的の形成外科手術では、過失が推定されます。 ブラジル高等司法裁判所(STJ)は、執刀医の債務を「結果債務」と捉えています。合意した結果が得られなければ失敗が推定され、すべてを適切に行ったことを医師側が証明しなければなりません(STJ, REsp 985.888/SP)。同じ考え方は歯科矯正治療にも適用され(STJ, REsp 1.238.746/MS)、ラミネートベニアなどの審美歯科治療にも通常及びます。治療目的の処置(再建手術や根管治療など)は一般原則に従い、過失の証明が必要です。

病院はそこで診療する医療従事者の行為についても責任を負い、クリニックは、実際に施術したのが別の医師であっても、自らの名のもとに行われた治療について責任を負います。

賠償の対象となるもの

  • 財産的損害: 支払った費用、修正治療(ブラジルまたは自国)、航空券、宿泊費、薬代、休業損害。いずれも証拠が必要です。
  • 精神的損害(慰謝料): 問題によって生じた苦痛。裁判官が重大性に応じて算定します。
  • 美的損害: 外見に生じた目に見える永続的な変化。精神的損害と併せて認められます(STJ 判例要旨387号)。

証拠となるのは、日付入りの写真、別の専門家(自国の医師でも可、要翻訳)の書面による所見、画像検査、クリニックとのやり取り、契約書、見積書、領収書です。

期限:5年

損害賠償請求権は、損害とその原因者を知った時点から5年で時効にかかります(CDC第27条)。待つのは得策ではありません。証拠は失われ、症状は変化し、クリニックは閉院することもあります。

最初の一歩:診療記録の入手

診療記録(カルテ)は、あらゆる請求の中心となる書類です。画像、インフォームド・コンセント同意書、処置の記録、使用した材料、処方を含む完全な写しを受け取る権利があります。医療分野では、閲覧や写しの交付を拒むことは倫理違反です(医師倫理規程第88条)。

メールまたは書面で請求し、合理的な期限を示し、送付した証拠を保管してください。あわせて正式な領収書(nota fiscal)、契約書、インプラントや補綴物のトレーサビリティ・ラベル(メーカー、型番、ロット番号)も請求しましょう。診療記録はポルトガル語で作成されるため、自国で使う場合は翻訳が必要になるのが通常です。

取りうる手段

  1. 直接交渉。 多くのクリニックは、訴訟を抱えるよりも再治療や返金を選びます。問題を説明し、要求を明確にした正式な通知書が通常の出発点です。
  2. 職能評議会への申立て(地域医師評議会CRM、または地域歯科医師評議会CRO)。医師に対する倫理手続が開始されます。賠償は得られませんが、処分につながることがあり、証拠にもなります。
  3. 消費者保護機関(Procon、および政府プラットフォーム consumidor.gov.br)。圧力をかけるのに有効ですが、ブラジルの納税者番号(CPF)とgov.brアカウントが必要で、これが障壁になることがあります。
  4. 調停・和解。 ビデオ会議で行うことができます。
  5. ブラジルでの提訴。 後述します。
  6. 自国での提訴。 可能な場合もありますが、外国判決はブラジル高等司法裁判所の承認を経なければブラジルで執行できず、クリニックの財産はブラジルにあります。実務上は、ブラジルで訴える方が一般に効率的です。

ブラジルに住まずに、ブラジルで訴える

クリニックの住所がブラジルにあり、事実もブラジルで生じているため、ブラジルの裁判所に管轄があります(民事訴訟法第21条)。海外在住の患者にとっての実務上のポイントは4つです。

  • 委任状。 自国で署名し、アポスティーユ(ハーグ条約。ブラジルは2016年から、日本も加盟国)を付けるか、ブラジル領事館で認証を受け、宣誓翻訳者がポルトガル語に翻訳します。
  • 訴訟費用の担保。 ブラジル国外に住み、ブラジルに不動産を持たない原告は、原則として相手方の訴訟費用と弁護士費用のための担保を供託しなければなりません(民事訴訟法第83条)。国際条約によってこの規則が変わる場合があり、適用の有無は個別に確認が必要です。この点は初期費用を左右するため、判断の前に必ず検討します。
  • ビデオによる審理は認められています。ただし裁判所が選任する医学・歯科鑑定人は、通常、本人を直接診察する必要があります。ブラジルへの渡航か、書類に基づく鑑定が必要になるため、最初から計画に入れておきます。
  • 少額裁判所は低額の事件向けに存在しますが、本人出頭が必要で、海外在住者には実用的ではありません。

この種の訴訟は数年かかり、途中での和解もよくあります。

今すべきこと

  • すべてを記録する:日付入りの写真、クリニックとのメッセージ、領収書、契約書。
  • 自国で専門家の診察を受け、所見を書面でもらう。
  • 上記のとおり、書面で診療記録を請求する。
  • クリニックから送られてきた免責書、「示談書」、声明書に、法的な確認なしに署名しない。
  • 除去された補綴物、インプラント、部品があれば保管する。
  • 5年の期限を確認する。

本記事は、医療・歯科に関する評価ではありません。当事務所は、クリニック、病院、医療従事者を推薦・技術的に評価することはなく、いかなる関係も有していません。


出典: 消費者保護法(法律第8.078/1990号), 第14・27条 · 民事訴訟法, 第21・83条 · 医師倫理規程(CFM決議第2.217/2018号), 第88条 · STJ: REsp 985.888/SP, REsp 1.238.746/MS, 判例要旨第387号。

よくあるご質問

クリニックを訴えるにはブラジルに戻る必要がありますか?

必ずしも必要ではありません。訴えはアポスティーユ付き委任状を持つ弁護士が提起し、審理はビデオで行えます。鑑定については、事案によって本人の出席が必要になることがあります。

クリニックは診療記録の交付を拒めますか?

拒めません。診療記録は患者のものであり、拒否は倫理違反です。拒否が続けば、裁判官が交付を命じることができます。

支払った費用の返還を求められますか?

サービスの不備が証明されれば、支払った金額は修正治療の費用とともに財産的損害に含まれます。すでに返金・再治療された分は差し引かれます。

インフォームド・コンセント同意書に署名しました。クリニックは免責されますか?

されません。同意書は、処置に通常伴うリスクの説明を受けたことを示すだけです。施術の誤り、不適切な材料、経過観察の欠如、合意と異なる結果は対象外です。

本記事は一般的な情報提供を目的とし、ブラジル法の概要を説明するものです。個別の事案に関する法的助言に代わるものではありません。